前回、「悪の教典#9 第三印象」エンディングのシーケンス・ループ・サウンドをDAW(SONAR)で作ったものの、やはり本物風にアナログシーケンサーで作ってみることにしました。
やってみたら、実は案外簡単でした。
考えてみれば、演奏中にオシレーターの接続からやり直すはずはないので、エマーソンがよく使いそうな音色設定のまま、シーケンサーで音程をコントロールする設定を作りました。「悪の教典・第一印象の間奏音と設定が違うから、ステージ上では演奏しながらシーケンサーの設定なんて大変じゃないか」と思うなかれ。モジュラーMoogの実機では最上段のラックにシーケンサーが2基装備されているから大丈夫。
おそらく、1基目のシーケンサーの1列目で第一印象の間奏音。1基目のシーケンサーの2列目で第三印象の演奏フレーズにディレイで効果を付ける設定。そして2基目のシーケンサーの1~3列目を全部使って第三印象のエンディングの設定。という使い方をしているのではないかと思います。
さて、第三印象のエンディングですが、シーケンサーのノブ1個1個で音程の上下を設定しますが、スタート時に弾いた音程を基音として音程が上下することになります。ノブのメモリを合わせやすいように、譜面を見て一番下の音か一番上の音をメモリの最小値か最大値にして、そこから一音一音合わせることにしました。
ここでシーケンサーへの出力を「S4」にしておくのがポイントです。
「S4」では、3列あるシーケンサーの再生順序のパターンを設定することができます。
①CHAIN設定で3列の再生順を選択。
「L123」は1列目→2列目→3列目を繰り返します。
②左のONは「Keyboard Trigger On」を設定。
右のOFFは「External Seqcencer Stop」を設定。
これで、キーを押したら、その音からスタート。最後にOFFボタンを押して終了。という操作ができるようになります。
③シーケンサーのノブ1個ごとの音程は、別の鍵盤で楽譜通りの音を出して一音ずつ合わせていくのですが、たかが24音、案外簡単にループ完成です。
各ノブの値は下記の目盛りに合わせます。
1列目=-12 / -5 / -7 / -8 / -8 / -7 / -10 / -1
2列目=+2 / -1 / 0 / -5 / -8 / -8 / -10 / -12
3列目=+4 / +4 / +2 / -1 / 0 / -3 / -7 / -5
④「REPEAT」は各ステップの繰り返し回数。全て「1」に設定。
⑤次のステップで何番に行くのかを設定。それぞれ次のステップに行くように設定し、最後のステップで「1」に戻るように設定。
⑥各列のステップ再生順の再生。順再生、順再生⇔逆再生、逆再生などを設定できる。今回は順再生だけなので「FWD」に設定。
⑦再生を開始したら、このノブを回してだんだん速くしていくだけでOK。
シーケンサーのスタートをパネルのスタートボタンにするか、鍵盤のどこかのキーにするかはお好みですが、シーケンサーのスタートボタンでループをスタートする場合、直前に弾いた音が基音になるので注意が必要です。今回は安全のためにキーを押した瞬間にシーケンスがスタートするようにします。
レディース&ジェントルメンから音をコピーしたので「G#」を押してスタートです。
VCAのINで「Sequencer Trigger」を選択しておくことによって、一旦スタートしたら、キーを離しても大丈夫になります。後はテンポをだんだん速くする操作をして、最後はシーケンサーパネルの②ストップボタンを押して終了です。
これで一応、完成なのですが、コンサートホールの雰囲気を出したかったので、今回はデュアル・ディレイでちょっと味付けをしておきます。
▼出来上がった音はこちら(Karn_Evil9_3_Ending_seq.mp3)
終了直後、カリフォルニア・ジャムのように花火を上げる場合、最寄りの消防署に連絡をしておきましょう。