高校~大学時代にレコード・コピーに明け暮れていた時期がありました。プログレの曲をコピーして楽譜に書き起こしても、そのまま弾けるわけでもなく、後にMidiで打ち込みするまで楽譜は眠ったままでした。
そんなことを思い出しながらソフト・シンセで遊んでいたら、最近は音色コピーが楽しくなってきました。iPadのMiniMoogでラフに作った音をモジュラーMoogでなぞり、往年のキース・エマーソン・サウンドを再現するという楽しみ方です。
いくつかの音色をコピーし、コンソールをクモの巣のようなパッチ・コードで接続して再現した時にあることに気付きました。それは、当時、キース・エマーソンはステージで弾きながら音色を変えていたという、実に当たり前のことです。
デジタルシンセなど最近のキーボードでは、最初から作った音色をプリセットサウンドとして登録することができますが、アナログシンセはそれができなかったからステージアクトは大変だったろうなぁと思います。
まだ、ミニ・ムーグはダイヤル式なので例えば演奏中に波形を変えるのもできなくはなかったと思いますが、モジュラーの方はパッチコード式ですからねぇ…。音色の変更は大変だっと思います。
「次の曲の音色、その次の音色…ということを演奏しながら操作するのは大変じゃねーか?。」
ということに気付いたので、音色のコピーもライブ盤のストに合わせてやってみようと考えた次第でした。
取り上げてみたのは、EL&Pの「レディース・アンド・ジェントルメン」。
(こんな暴挙に出なけりゃよかった)
しょっぱなに「ホウダウン」のうねる様な立ち上がりのサウンドがあり、「聖地エルサレム」~組曲「タルカス」と続きます。実際にはタルカスの前に「トッカータ」があるのですが、これはパーカッション・シンセとポリ・ムーグの分担が多いと踏んで省きました。
まずは、ホウダウンのイントロです。
ウィ~~~ン↑ウィ~~~ン↑というあの上昇音です。
ステージ映像を見ると、上がりきった音を弾いているのが分るので、オシレーターのフィート数も16’にセットしてみました。波形はまだ本気でコピーしていなくて、とりあえずノコギ波3つを少しデチューンしてリンクします。フィルターはローパス。
この音のキモは、赤丸で囲んだエンベロープジェネレーターです。これはVCAではなく、スローアタックの「徐々に上る」という信号をVCOに繋いで「音程が徐々に上がる」という使い方をしてみました。